卓球でテニス肘になった方の治療例
こちらでは、卓球で肘を傷めて通院されているT.Sさんを例に挙げて、テニス肘・野球肘における当院の治療方針を紹介していきたいと思います。
テニス肘の正式名称は【上腕骨外側上顆炎】野球肘は【上腕骨内側上顆炎】といいます。要するに、肘の外側が痛ければテニス肘、内側が痛ければ野球肘、ザックリとそんな理解でいいと思います。
なぜ肘が痛むのかというと、患部周辺の腱を傷めているからです。この傷めた腱に負担がかかることで炎症を引き起こし、痛みを感じます。多くの場合、手首のスナップを利かせるなど手首を使うことで痛みを引き起こしますが、重度となると安静にしていても痛みを感じるようになります。また、腱の損傷なので治癒に時間がかかり、完全に治癒するまでは痛みを伴うという厄介なものです。
一般的には安静・冷却・電気・マッサージなどによる治療が行われますが、多くの場合、あまり劇的な効果は認められず、痛みに悩むアスリートが多いのが現実です。
なお、ゴルフ肘は外側に痛みを訴えることが多いため、テニス肘と同じく【上腕骨外側上顆炎】とされます。また、野球で肘の外側を傷めた場合、これらの病態とは異なる可能性があるので注意が必要です。
肘のスポーツ障害について、詳しくはこちらのページをご覧ください。
Q:本日はどのようなお悩みで受診しましたか?
スポーツにより、テニス肘のような痛みがあったため
Q:実際に治療を受けた感想を教えてください
通常のマッサージのような気持ち良さを感じることは少ないが、患部に対する的確な処置により、治療の前後で肘の状態の劇的な違いを体感することができた。費用対効果は充分だと感じている
Q:治療方法や体の説明はわかりましたか?
理論的かつ丁寧な説明が非常にわかりやすかった。体の仕組みを含めて頭で理解でき、痛みの原因など納得することも多かった。
Q:院内や施術者の印象はいかがでしたか?
見た目の印象と違って(?)、真面目で誠実なところが感じられ好印象であった
初月:通院4回 36300円(初回キャンペーンあり)
2ヵ月目:通院2回 19800円(継続通院割引適用)
3ヵ月目:通院2回 19800円(継続通院割引適用)
試合以降:3週間に1回 9900円(継続通院割引適用)
メンテナンスケア:月1回 9900円(継続通院割引適用)
T.Sさんの場合「3ヵ月後に大事な試合があるため、それを目標にトレーニング・練習試合・前哨試合などをこなしながら肘の治療を進めたい」というご希望でした。
このような場合、練習・試合時の再受傷によるぶり返しが懸念されますので、治療初期は練習後に日を開けないよう、週に1回の頻度で通院していただきました。その後、数回の治療で練習中に痛みを感じることも少なくなってきたため2週間に1回とさせていただきましたが、お体の状態を拝見し、これ以上間を開けるのは難しいと判断し、試合が終わって一段落するまでは2週間に1回のペースで肘の状態を確認させていただくことにしました。
メンテナンスケアとは、患部の症状が緩和してからも主に再発の予防を目的として定期的に通院していただく通院方法です。スポーツは競技として取り組み始めた瞬間に、体に負担をかけ、壊してしまうリスクを生みます。そのため、疲労の蓄積などで組織の損傷が起こる前にケアをしていく必要があるのです。また、患部への負担を増している他の影響を緩和することも可能となり、パフォーマンスアップにも役立ちます。そのため、当院では症状の緩和後も定期的なメンテナンスケアをおすすめしております。
T.Sさんは比較的ガッシリとした体形で、ディフェンス向きというよりは攻めて勝つオフェンスタイプのプレイスタイルが向いているタイプでした。実際、オフェンスタイプだったようですが、体が硬いこともあって腕の力に頼った打ち方(無意識です)になっていました。そのため、ボールに回転をかける際、手首のスナップを使いすぎて外側上顆炎を引き起こしてしまったと考えられます。
整体では、傷めてしまった腱自体を再生させることはできないため、その腱に負担がかからない身体作りをしていく方向で治療を組み立てることになりました。具体的には、腕の捻じれを和らげる・手首の捻じれを和らげる・固まっている肋骨を動かす・鎖骨の捻じれ運動を引き出す・肩甲骨を剥がす・荷重バランスを整える…これらを数回の治療に分けて、段階的に行っていき、全身の力を連動させることができるように整えていきました。また、前腕の伸筋群・屈筋群などの筋膜を剥がし、腱を直接引っ張っている筋肉の緊張を和らげることで症状を緩和させていきました。
この他、テーピングによって患部への負担を軽減させたり、サポーターの使用方法をアドバイスしました。
結果、初回の治療でも痛みに劇的な変化を実感され、その後も順調に回復していきました。
このように、患部である肘やその関連部位である前腕部だけの治療ではなく、肩や肩甲骨・肋骨といった一見患部とは関係がなさそうにみえる部分の治療を行うことで、T.Sさんは通常通りに練習を行いながら無事に試合を行うことができました。